第09回【Lloyd’s マーケット】

今回は一大保険マーケットとして有名な『Lloyd’s マーケット(ロイズ)』についてご紹介します

1.起源はコーヒーショップ

17世紀当時のロンドンにおいて、保険の引受人(アンダーライター)と海運業者や貿易業者の間の情報交換の場がコーヒーショップでした。
その代表的な存在がエドワード・ロイド経営のコーヒーショップでした。
ロイドのコーヒーショップでは、海運情報を掲載したロイズニュースを顧客向けに発行したことにより店が繁盛し次第に海上保険の引受が行われる公認の場所となりました。
ロイドの死後、常連であった保険業者が店を引継ぎ、会員組織による組合を結成、これが発展して現在のロイズとなりました。

2.保険会社ではない?

「ロイズ=保険会社」であるというイメージですが、厳密には保険会社ではありません。
「ロイズ」は保険の引受マーケットあるいは、そのマーケットを統括している組織の名称です。

3. Lloyd’s マーケットの仕組み

ロイズでの保険の引受けは以下の図のようになっています。

4. アンダーライターとは

アンダーライターとは、シンジケートに所属し、ブローカーが持ち込んだ案件の引受け可否の決定(条件・料率など)をしています。保険業界におけるステータスは高く、職人のような方たちです。

5.ロイズマーケットへのアクセス

双日インシュアランスでは、最大手であるAON, Marsh, Willisをはじめとしたロイズブローカーと提携しており、ロイズマーケットにおける保険手配が出来る体制を整えています。
日本の保険会社では提供が困難であった特殊リスクへのカバーなど、より高度なリスクマネジメント機能を提供できる体制となっています。

~番外編~

ロイズのビルはロンドンの双日欧州の事務所から歩いて約10分の場所にあります。
その独特な外観から、完成時にはチャールズ皇太子が「石油コンビナートみたいだ」と批判したことでも有名で、日本で言うところの指定文化財になっています。もしロンドンに行く機会があれば、是非立ち寄ってみて下さい